創作 破滅の望(仮)

一次創作「破滅の望(仮称)」のまとめ。※グロ描写、多少の工口描写を含みます。

破滅の望 13話

ふにゃーっとした顔で寝てる菜白、全然物入んなさそーなちっちゃい口が半開きだ。…コイツもしかして今なら勝手にちゅーしても気付かねーんじゃね?いやいや、バレた時どーしよーもねー事になるしやめとこ。菜白に嫌われるのは避けたい。…!?散々人殺ったり食ったり嫌われそーな事ばっかやってきた自分が、菜白にだけは嫌われたくないとか思ってんのビビった。どーせ菜白も1人の人間に過ぎないハズなのに、失ったらって考えたらなんかすげー怖い。捕まるかもとか今度こそ生きて戻って来れねーかもとかじゃなくて、自分の手元から菜白が居なくなるのがとてつもなく恐ろしい。まだ半日ぐらいしか一緒に居ねーのに、まるで自分の1部になったみてーだ。
「えへへ…いぶき…だぁいすきぃ…」
…菜白!?何だ、寝言か。どんな夢見てんだろーなー。そんなカンタンに大好き〜とか言われると、ほんとに俺の事好きなのかと思っちまうな。そーいや菜白昨日の夜そういうことしたいとか言ってて冗談だと思ってたが、もしかしたらガチで俺とヤりてーのか?まぁ多分俺のカン違いだろーけどさ。するにしても多分俺お互いが気持ちいーのじゃなくて無理矢理襲って犯すしか出来ねーし。あと俺生きた人間とエロい事した事ねーんだよな、ちょっと気に入ったやつは死姦したけど。どんだけネジ飛んでる菜白でも、流石に自分の初めてが強姦は嫌だろ。…てかアイツ処女なのか?恋人と〜みてーなのは無さそーだけどこんなちっちゃくてかわいーの、しかも俺みてーな初対面の男にカンタンに着いて来やがる。小柄で小学生みてーだし、ぜってーロリコンのエロオヤジに目付けられてるだろーな。へへへ、俺そんなのに好かれてんだなァ…。
「!?…んぅ…やめ……こわい…たす…け…」
菜白の夢が悪夢に変わったのか、すげぇ辛そーな顔してうなされてる。…可哀想だ。そんなことを考えていると、下半身に違和感を覚えた。たって…え?うなされてんのを見てか、思いっきりたっちまってた。やだなー…菜白の事は純粋に可愛がりてーのに。殺意はねーしまだセーフか?とりあえず寝室は菜白が寝てるし、起きたらまずリビング行くだろーからトイレでどーにかする事にした。トイレ入って確認してみたら、なんか収まってた。それからは数分待ってみたが、別に復活はしなかったしトイレから出る事にした。
「ふふっ、伊吹、実は途中から起きてたんだよ?」
ドアを開けたら笑顔で菜白が立っていた。悪意を含んでるよーにも見えない、純粋な笑顔だ。起きてた…って事は俺がどーなってたか察してる可能性もある、そー考えたら怖くなってきた。
「私に出来る事って、何かある?」
寂しそーな顔でこっちをジーッと見てくる。菜白はほんとに俺を崇拝先だけじゃなくて、恋愛的にも見てんだなって確信した。俺だって大好きな菜白ともっと近付きてーさ、でも何かあっても病院とか頼れねーからリスクがな…。
「ごめんね、無理しなくていーよ、元から全部叶うなんて思ってないし、家にいるより全然楽だし、楽しいし、ちょっと我慢なんて簡単だよ…っ!」
菜白はピクリとも動かない笑顔で笑ってる。ふつーの奴には嘘だって分かんねーぐらい、よく出来た作り笑顔だ。でもパニックとかなってんのか、喋り方が若干ぎこちない。こんなのにも菜白は慣れちまってんだろーか。俺はさっきの俺の事を菜白は恋愛的に見てるって仮説がほんとかどーか知りたくて、1個聞いてみた。
「なぁ菜白、お前は俺の何になりたいんだ?」
「…?」
理解出来てなさそーな顔でこっちを見つめてる。頭が追いついてねーせーか相変わらず口は半開きだが、そこもまた可愛くて仕方ない。
「兄妹か?子供か?それとも…恋人…か?」
恋人か?なんて聞くの死ぬ程恥ずかしーけど、菜白の本心知れんならそんぐらいカンタンだ。
「うーん、絶対笑わない?」
今まで自分の意見言ったら笑われたりしてたんだろーか?すげー緊張した顔で申し訳なさそうに言ってくる。
「笑うわけねーだろ!言ってみろ!」
菜白は1度頷いて、大っきい深呼吸してから覚悟を決めたみてーに言い始めた。
「伊吹の特別になりたい。他の誰かじゃ代替出来ない特別な存在になりたいの。」
「もうなってんだよなー。俺もう菜白無しじゃ生きてける自信ねーもん。ずーっと一緒に居てくれるか?菜白。」
こー言ってやったら菜白はボロボロ泣き出した。菜白の事だ、迷惑って思われるかもしんないとか思って不安だったんだろーな。
「うん、いっしょにいる…!ずっと、ずーっと!」
そのままぎゅーってしてやったら、縋るよーにしがみついて来やがった。俺の事を恋愛的に見てるかどーかはよく分かんなかったが、まぁ友情とかの類いじゃねーのは確実だろ。
「ほんとは…こわかった。嫌われるんじゃないかって…疑ってごめんね…」
菜白は俺の胸辺りに顔埋めて泣きながらそー言った。何となく分かってたけど、自分から言ってくれてよかった。謝らなくていーぞって言おーと思ったけど、菜白はまた言わせちゃったとか自分責めそーだし黙って抱きしめるだけにしといた。
「もう大丈夫だよ、伊吹!ありがと。」
菜白は作ってない優しそーな笑顔で、若干名残惜しそーに抱きつくのをやめた。5分弱ぐらい撫でたり抱きしめたりしてたら、メンタル安定して泣き止んだみてーだ。菜白は えへへっ、て俺に笑って見せてからソファの右側に姿勢よく座った。
「伊吹、こっち座って?」
菜白はソファの左側をぽんぽんって軽く叩いて、俺を呼んでいた。横に座ったら、ふにゃふにゃの笑顔で俺にもたれかかってきた。
「暖かいねーっ!暑いのは嫌いだけど、伊吹とくっつくのはだーいすき!」
「はははッ、俺もだなぁ。まず人間の温もり自体、菜白が初めてみてーなもんなんだよなぁ。」
寄りかかってきた菜白の肩をギュッて掴んだら、菜白は大分ビックリしてた。なんか情けねー声だしてビクってしてんの、かわいーなぁ。
「そういえば伊吹、お腹空いた?」
思い出したかのように聞いてきた。確か昼飯の後は菜白が皿洗ってくれるんだっけか。確かに俺もちょっと腹減ってたし、頷いてみた。
「伊吹が嫌じゃなかったら、私が作ってもいい?下手かもしれないけど…。」
「作ってくれんのか!?菜白の…手料理…っ!!」
菜白が飯作ってくれるって言い出したんだ、嫌がる理由なんて俺にある訳が無ぇ。家で誰かの手料理食うのなんて何年ぶりだ?最後なんか思い出せねぇぐらいずーっと前だ。
「伊吹、すっごい嬉しそうだね!お姉ちゃんより全然料理出来ないし、あんまり期待しないでね?」
そー言ったら菜白はキッチンの方に歩いていった。