創作 破滅の望(仮)

一次創作「破滅の望(仮称)」のまとめ。※グロ描写、多少の工口描写を含みます。

破滅の望 7話

完全に寝た菜白をベッドの真ん中に動かして俺は出かける準備を始めた。菜白を家に置いてくのはちょっと不安だがまぁアイツの事だ、逃げ出そうとはしないだろう。捨ててもいいようなヨレた服を着て、何かかかってもすぐに落とせるツルツル素材の上着を羽織った。コイツぁ防犯カラーボールも効かねぇスグレモノ。今は上着なんて着ちゃあクソ程あちーが殺ったのがバレるよりマシだ。脅す用の拳銃とナイフ、刃物研ぎ、それと使い慣れた包丁をポケットに突っ込んだ。棚からクーラーボックスを取り出し、チャック付きの袋が足りてる事を確認した。もし菜白起きても焦らねぇよーに置き手紙でも置いてってやろーか。「ちょっと出かけてる。すぐ帰るから焦んな。危ねぇから俺が帰ってくるまで外出んじゃねーぞ?」って書いた紙を机の上に置いた。
何の夢見てんだろーか、すぅすぅと小さな寝息を立てて幸せそうな顔で寝てるかわいー菜白を撫でてみた。反応は無ぇけどそれでいい、若干寂しいとか思っちまった自分に驚いた。
「行ってくるな、菜白。」
小さくそう言って俺はあの繁華街に向かった。